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パリのレストラン

パリ旅行の楽しみのひとつは「食」ではないでしょうか。

 

食の都パリには、雑誌のパリ特集やインターネットの情報から、既に日本に名が知れ渡っているレンストランやパティスリーが数多くあります。グルメな日本人は短い滞在中の食スケジュールをどうするかの選択に迫られ、これは悩ましい難題のひとつであると思います。選択のために、ミシュランガイドなどのグルメガイドを参考にされる方も多いかと思います。

 

ご存知ミシュランガイドは、レストランやホテルのランキングが解説されているガイドブックとして、日本では既に浸透しています。ミシュランガイドは、1900年にフランスの車タイヤメーカーであるミシュラン社のミシュラン兄弟によって創刊されました。

 

 


 

創刊当時は車旅行者のためのガイドブックとして創刊され、地図にガソリンスタンドやホテルの位置が示され、タイヤ交換の方法などが記された簡単な内容構成でした。数年後、レストランの情報を加え、更に星を使った評価基準を導入し、現在のようなミシュランガイドへと進化していきました。「ミシュランガイド東京」が誕生した2007年、日本では大変話題になりました。当時、レストランの審査官をされている方にお会いする機会がありましたが、美しく知的なご年配の女性でスーツの胸元にナイフフォークのピンを飾っていらしたのを覚えています。今年はミシュランガイド創刊117年目ですね。東京版が創刊されてから今年でちょうど10周年となりました。

 

近年、パリで支持されているレストランの多くに日本人シェフの活躍が見られます。人気レストランはなかなか予約が取れませんが、今年ミシュランガイド・パリで星を獲得された伊藤良明シェフのレストランL’ARCHESTEもそのうちのひとつです。2016年9月にオープンし、わずか半年で星の獲得となっています。伊藤シェフは、パリの「レストランひらまつ」で10年間星付きレストランのシェフを務めた実力派です。今回は、お昼のコース5品を体験させて頂きました。

 

<アミューズブーシュ>

イカ墨とお米のチップス アドックのムース

おにぎりを彷彿されるビジュアルに期待が高まり、サクサク軽快なスタートです。飾りであしらわれている緑の新芽で生き生きしていて綺麗ですね。

 

 

 


 

 <前菜>

甲烏賊と鴨のファアグラ 、ビーツとピンクラディッキオ、グリビッシュソース

食感の良い甲烏賊とフォアグラのまろやかさに、爽やかな酸味のビーツでアクセントをきかせた前菜。ラディッキオも薄桃色で春を感じさせ、ビジュアルがダイナミックで大変美しいですね。

 

 

 

 


 

<スープ>

ユタビーチ産牡蠣、菊芋のヴォルーテ、スカンポのオイルとマドラカレーの香り

スプーンで混ぜるとたちまち泡泡に。牡蠣のクリーミーな新鮮さがたまりません。菊芋の口当たりも優しくまろやかな舌触りのスープに、カレースパイスとスカンポのオイルで五感を刺激します。メインへの食欲を掻き立てますね。さらっと頂けるポーションで次のメインへと続きます。

 

 

 


 

 <お魚料理>

フィニステール産鮟鱇のロースト、芽キャベツとノワールムチエ産の新馬鈴薯、サバニャン種のムースリーヌ(通常はお肉料理が出されるようですが、トリュフのリクエストをしたのでメインの順がお魚からお肉という流れになっています。)

 

鮟鱇はフランスでもよく見かけるお馴染みのお魚です。ころっとした鮟鱇の焼き加減はとても丁寧で、周りはカリッとした楽しい食感。この芽キャベツはフライしてあるような香ばしくてサクサクした食感で、春素材の甘さと様々な食感がまるで音楽を奏でるかのような瞬間でした。これ真似したい!できないけど、と言いながら食しました。

 

 


 

<お肉料理>

仔牛の頬肉のブレゼ、ビゴール黒豚のラードと法蓮草、マッシュルームのラメル、ゲタリア産アンチョビのバターソース

 

お肉のソースを伊藤シェフが自らサービスし、お料理の加減を気にかけてくださいます。

お肉のお皿を目の前に、トリュフの豊満な香りで食す前から興奮状態です。ひとくち入れた瞬間、仔牛の頬肉の柔らかさとジューシーさに感動しました。どうやったらこういう食感に仕上げることができるのだろうか??やはり星を獲得されたシェフなので、素人ができないテクニックが必要なのですね。ソースは日本人シェフが得意とする繊細さと軽めな舌触りで、少し酸味を効かせ、お肉の旨味を引き立てるための抑えめな味加減が絶妙でした。ちなみにピゴール黒豚のラードは私の大好物で嬉しかったのですが、こういう使い方もありなのか!と、またここでひとつ真似したい隠し味の発見がありました。レストランへ行くと色々なヒントや発見があって楽しいですね。決して同じものは出来ないのですが、自分でも試せる範囲で色々やってみたくなります。

 


 
<デザート>

林檎のキャラメリゼ、パッションフルーツとマスカルポーネのムース、アカシア蜂蜜のアイスクリーム、ローズマリーのシロップ

デザートも気を抜けない感動です。パッションフルーツの酸味をアクセントに、蜂蜜のアイスクリームとマスカルポーネのまろやかさでほっこり。蜂蜜のアイスクリームなんて、女性の美容にも嬉しいですね。

 


 

感動と刺激的なお食事を頂けて、大満足の時間でした。シェフというお仕事は、様々な感覚をひとつのお皿に表現するアーティストなのですね。今回は伊藤シェフ直々に日本語メニューを頂きましたが、メニューの名前を見るだけで拘った食材、引き立て役のスパイスやオイルなど、美味しく頂いたお料理が蘇って思い出されました。

 

昔ながらのクラシックフレンチも健在で人気ですが、器用な日本人シェフの創り出す繊細な味と食感のバランス、新鮮でオリジナリティある食材選び、これらが今のヨーロッパの食ブームのキーであり、先端を走ってると言っても過言ではないと思います。日本食文化のテクニックや食材がパリの地で進化していくことに、日々感銘しています。今、シェフを夢見る日本の若い方たちが海外に挑むきっかけになればいいなと思い、今回は食について書いてみました。

 

最後に伊藤シェフにこれから海外で何かに挑戦したいと思っている野心を持つ若い方々へアドバイスがありましたらと聞いたところ、「固定概念に捉われずに失敗を恐れることなく、信念を持ってやりたい目標に向かっていって欲しい。」ということでした。枠にはまっていてはお客様に感動を与えられるシェフの道は遠いということでしょうね。競争相手が多い食の都パリで活躍している伊藤シェフは、これまでの実体験を交えて伝えられてるのかもしれません。今後もパリで活躍する日本人シェフが増えるのが楽しみです。

 

レストラン ラルケスト:

https://www.archeste.com

79 rue de la Tour 75116  Paris

 

福島 明子(パリ在住コーディネーター)

https://www.instagram.com/akiko.fukushima/

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