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国が違えばデザイン様々。街を面白くする“ダサかわ”レトロ【いろどりのチェコ vol.10】

ガイドブックには載っていない「ザ・チェコ」な街の風景とは?

国が違えば街を彩るデザインも様々。


チェコの街を歩いていると「これは日本人には思いつかないな〜」と関心する「サイン(店名の表示)」に出会うことがある。私がカメラロールに撮りためたダサかわフォルダからその一部をご紹介したい。

 

 

共産主義時代からの変わらぬレトロデザイン

下の写真は、初めて見た時から好きな近所の書店。年季がすごい。

ショーウィンドウに整然と並ぶ本はマメに新しいものに取り替えられていて手入れが行き届いているのに、看板だけ20年くらい時が止まったよう。


この看板こそが私にとってガイドブックには載っていない「ザ・チェコ」な街の風景。


1989年以前の共産主義時代は、商売に力を入れる必要が無かったため、看板にもこだわっていない店が多かったよう。何が売っているかが分かれば十分なので、当時から残る古い看板はだいたいが「本屋」「服屋」などと書いてあるだけ。チェコ語が読めなければ何屋なのか分からないことも。

 

次の小さな服屋さんも似たタイプの看板だ。四角に一文字ずつ入れるデザインが流行った時代があったのだろうか。「O」がずれ落ちているところが哀愁倍増。

チェコにはチェーン店よりも個人商店が多く、今でも所謂 “街のブティック” が多数存在し、店を覗くと店主のレディと常連マダムがおしゃべりしている姿が見られる。



 

街に馴染んだグッドデザイン

小さな街のベーカリー。この文字の大きさ・バランス、決して読みやすくはないし、計算尽くなのか何も考えていないのか分からない絶妙さ。日本にあったら壁の色も含めて正直微妙だと思うのだけど、チェコの街並みにはしっくり馴染んでいるのだから面白い。


書店のサイン。これはダサかわではなく普通にグッドデザインの部類かも。個性的なフォントはお店のオリジナルだろう。風格ある建物に合った看板でお気に入りの店構え。

 

愛らしいハンドペインティング

民族衣装が有名な地域にあるレストラン。店名はもちろん花柄も手描き。この街には一般のお宅でもこういった花柄を施した建物が多い可愛らしいエリアだ。



レトロデザインなヘアサロン。壁の色と合わせたオレンジでシンプルに。一見どこにでもありそうで日本では見かけないデザインだと思う。


 

「かつての無個性」が「現代の個性」になったチェコのデザイン

私は仕事柄、サインをデザインする機会もあるのだが、海外で見る意匠の色やバランスは一朝一夕で真似しようとして出来るものでは無い。色の組み合わせ・フォントの選択・全体の配置など、意識せずとも生まれ育った環境で見てきたものが必ず表れる。

 

地方へ行くほど地域色は顕著だ。世界的大都市、例えばニューヨーク、ロンドン、パリの広告などを見るとトレンドは共通していて、それは「世界的な流行」でもあるが、地方へ行けば最先端の流行とは無関係の世界があり、独自のセンスが残っている。

現地人はそれに気づくことは無く、彼らが意識したことさえない看板の写真を撮る楽しみはよそ者の特権である。

(ちなみに、日本の流行も完全にドメスティックで我が道を行っているので、他国のデザイナーが日本のデザインを真似するのもまた難しい。)


チェコには20年以上前の “東” 時代のモノがあちらこちらに残っていていて、個性を消されていたはずの時代の名残が、現在のチェコの田舎の風景を面白くさせている。

 

 

文・Noriko Naniwa
Blog:http://www.howtobeczech.com
Instagram:https://www.instagram.com/nrkn/

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