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絵画のような風景、モラヴィア大草原【いろどりのチェコ vol.9】

【いろどりのチェコ vol.9】黄色のウェーブ。菜の花を眩しいと感じたことがありますか?

 

PeLuLuへの寄稿記事には何かしらカルチャーに関するトピックを選びたいと心がけていたのだが、今回はどうしても見てもらいたい私の住んでいる場所の風景を紹介したい。

 

 

一度は訪れたい絶景『モラヴィア大草原』

別名 “緑の絨毯”。まるでベルベットの様に艶やかな草原の畝り。メジャーな観光地では無いながらも、“世界の絶景” として知られ、日本からもその風景を見るために遥々訪れる旅行者がいるということを私はここへ越して来てから知った。


大草原が織りなす「緑色」のグラデーションが美しいことで知られているのだが、例外的に5月上旬に限り “緑の絨毯” が “黄色の海” になる。私が隠れたベストシーズンだと思っている時期だ。

 

黄色の正体は菜の花。一年のうちでもピークはたった1週間ほどで、サクラ並に儚い。

 

ここまで視界が黄色いと眩しいと感じるのだと知った。

 

菜の花が散った後は、周囲と同じ緑のグラデーションに変わる。

 

 

 

地元のチェコ人よりも日本人に知られた秘境

この風景、実はチェコ人の間では全く有名ではなく、訪れるのは日本人ばかりという不思議な現象が起きている。どうやらこういった田園風景はチェコ人にとって当たり前過ぎて意識したことが無いらしい。 “観光地” としては有名ではないが、誰もが知っているという意味では有名と言えるのかもしれない。


そんなどこにでもある田舎の風景(とチェコ人は思っている)なので、街の観光協会も特にプロモーションはしていなかったのだが、どういうわけかこの場所の映像が数年前に日本のテレビで紹介され、それ以来日本人が時々訪れる様になったので、地元の人も「これ、価値のあるものなんだ?!」と気づいたそうな。

 

 

普段の姿 “緑の絨毯”に近い景色

 

先日、草原付近を自転車で走っていたら、日本から旅行で来られた方々と立て続けに遭遇するということがあった。

 

知名度が上がったとはいえ、ガイド本には載っていないし、日本から気軽に来られる場所ではなく、全く観光地化されていないチェコの田舎街で日本人を見かけるのは年に一度あるかないかという稀な出来事なので驚いた。

 

みなさん当然ながら有名な緑色の草原を期待して来られていたので、一面の菜の花畑は予想外だったそうだが、この黄色の海はむしろ貴重。ここで四季を過ごした私に言わせると間違いなく最高のタイミングだ。

 

 

雲が作る陰影が特徴的

 

流れる雲

 

1人で歩いていると1時間全く誰にも合わないという事も珍しくなく、360°草原に囲まれると、まるで風景画の中に迷い込んだ気分になる。

畑の中に時々現れる小さなチャペル。ほとんどは築百年以上だったりと非常に古いもの。建てられた時は道沿いだったのが、時が経ち周囲が畑になってしまうという事もある。現在、畑のど真ん中に唐突に現れるチャペルにはそういった歴史がある。


周りは作物で埋め尽くされているので近づけないチャペル。


誰が作ったのか、木立の中のブランコ

 

この下り坂を自転車で走るのは天国のよう

 

 

 

都会とは違った魅力があるチェコの田園風景

日本人により「モラヴィア大草原」と名付けられたこのエリアはチェコ語で「Moravské Toskánsko(モラヴスケー・トスカーンスコ)」と呼ばれている。訳すと「モラヴィアのトスカーナ」。「モラヴィア」はこのチェコ東部地域の名称、「トスカーナ」は田園風景の美しいイタリアのトスカーナに似ているから。

 

オリジナルの名前を付ければいいのに、他所から名前を拝借するなんて、自己主張の強くないチェコ人の性格を表しているなぁ、と微笑ましく思う。

 

 

 

 

文・Noriko Naniwa

Blog:http://www.howtobeczech.com/

Instagram:https://www.instagram.com/nrkn/

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