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Bilitis dix-sept ans-このごろ夢中になったり想ったり (9)「旅(ハプニング)」Part 2

Bilitis dix-sept ans-このごろ夢中になったり想ったり (9)

ビリティスDirector 星 丈二

 

「旅(ハプニング)」Part 2

 

ダイアナ妃の衝撃的な事故からもう20年経つんですね…。

ちょうどあのときロンドンに滞在していて、とても驚いたのを覚えています。

街中、国中に悲しみがあふれていました。

 


 

パリに移動する日がちょうど葬儀の日でヒースロー空港で、アナウンスが流れて一分間の黙祷をまわりにいる皆で一緒に捧げました。(ご冥福をお祈り申しあげます)

思えば歴史的な瞬間を共有したのですね。

 


 

パリに着いてもやはりこの大変な事故が起こった後なのでなんとなく警察のパトカーやバイクの数も多く感じ、まだざわついた雰囲気が感じられました。

 


 

2、3日のんびりして、さて仕事をと地下鉄12号線でポルト・ド・ヴェルサイユの展示会場に向かいました。2タックのチノパンに赤いセーター。(思えば目立つ格好だったのかも)

 

それまで過ごしていたロンドンの比較的安全な治安(当時)に慣れていたせいか、あまり警戒感も持たずにメトロの車両の入り口近くに立っていました。左手はポケットにいれて右手でポールを握ってボーッと乗っていたのですが、途中の駅で4、5人の若者達がドドッと乗り込んできて、あまり混んではいない車内なのになぜか自分のまわりを取り囲むように身体を押しつけてきました…。身動きも取れない感じです。

 

「こ、これは!?良くある手口のあれかな?」と思った瞬間には右ポケットの中がが軽く、存在感を無くしていました。パスポートが入っていたのですが無くなっています。(銀行で必要なのでたまたま持ってきていたのです…。左ポケットには財布が入っていましたが手を入れていたので無事でした。)

 

「オイ!お前達だろう!返せよ、お金じゃない!パスポートなんだよ!」と問い詰めましたが、両手を広げ肩をすくめて薄笑いをしながら「知らないよ!何も持ってないぜ!!」という感じでちょうど止まった次の駅でぞろぞろ皆降りて行きました。

それでも確証があったので「オイオイ!」と一緒に降りて追いかけていきました。刺されたりしたら怖いなと内心ドキドキでしたが…。でも皆笑いながら出口に向かって走って行ってしまいました。

 


 

あ〜あ…警戒をしなかった自分が悪いけど面倒なことになったな、領事館に行かなくちゃ行けないな、1週間は足止めだな…などと色々なことが脳裏をめぐり途方にくれていましたが、次のメトロが入って来たので取りあえず乗ることにしました。

 

その時彼らが出て行ったプラットホームの反対側の入り口方面から、仲間の一人が何か叫びながら走ってくるのです!

「何だ何だ⁉︎」と見ていたら、入ってきたメトロに乗れ乗れと言っています。訳も分からず取りあえず乗り込んだらドアが閉まる瞬間に何かを投げ入れてきました。

 

なんと盗られたパスポートです!!!何なんでしょう…⁉︎見たらパスポートケースに入れていたカルネ(メトロの回数券)だけが無くなっていてパスポートは無事です。訳も分からず周りにいた乗客もぽかんとしていました。

 

彼らはプロの集団ではなく遊びだったのか?困った外国人が可哀想になったのか?自分のことを気に入って仲間にしたかったのか(笑)?などなど今思っても不思議な体験でした。

 

君たち、もうこんなことをしては駄目だよ!真面目に生きなさい!でも助かったよ…。

 


 

あれからパリでは脇にポケットのあるチノパンはやめました。

ジーンズのように手を入れにくいポケットのあるパンツにしています。パリ、それも地下鉄は気を付けてくださいね!

 


 

Woody Allenの映画Midnight in Parisのテーマ曲  "Si Tu Vois Ma Mère"  を聴きながら書いていますが、今思えば歴史的な事件と個人的な事件が一緒に起きた懐かしくも不思議で貴重な思い出です。

 

À bientôt

 


 

Bilitis dix-sept ans

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