Bilitis dix-sept ans-このごろ夢中になったり想ったり (8)
ビリティスDirector 星 丈二
「旅(ハプニング)」
最近旅をしてますか?
時として一人の海外旅行は楽しいですよ!
不安や不便なこともたくさんあるけど、予想外の展開が起こってくるけど、そのたびにイヤなことはサッと避けてやり過ごし、楽しいことは思い切り享受する。この体験が自分を一回り大きくしてくれます、きっと。そう思います。
以前ショップをやっていたことがあり、そこで扱うアンティークのレースや衣装は殆どパリに行って収集していたのですが、ジュエリーや小物はロンドンの方がマーケットやディーラーが多いので、仕事としては初めてロンドンに行くことにしました。もう何年も前の話です。
当時ヨーロッパへはモスクワ経由のアエロフロート航空が安くて早いので、これをチョイス!大分旅慣れしていたので油断して自宅を出るのが遅くなり、箱崎エアターミナルに着いた時にはそれからリムジンバスに乗ったのでは間に合いそうもない時間でした…。
思い切ってタクシーに乗ってドライバーに事情を話して成田までカーチェイスさながらに飛ばしてもらいました!40〜50分で着いたのを覚えています!良かった!!(勿論チップもはずみました!)
ドライバーさん!あの時はありがとうございました!
ほっと一息ついて、さあチェックインと思ったらなんとDELAYの表示が…。
「それはないんじゃない、アエロフロート航空さん!こんなに必死で急いで来たのに!」と言っても誰も聞いてくれないし、どうしようもないので拍子抜けして4時間ほど空港内をブラブラしたり食事をしたり本を読んだりウオークマン(懐かしいですね)を聞いたりしていました。
そんなこんなでやっと搭乗できて、美味しい?食事をしてビール(有料)を飲んでのんびりしていたらモスクワ到着!
燃料補給のために一旦飛行機を降りて空港内で休憩です。やれやれ…。ソヴィエト時代なので節電かなにかで薄暗い空港でボーッとしていたら係員からの案内が!!
「このまま飛行するとロンドン到着時にはヒースロー空港が真夜中で閉鎖中なので、今日はこのままモスクワに一泊して明朝出発することになりました!」オイオイ!
トラブルは続きます…。
空港内のレストランらしき所で簡単な食事をさせてもらった後、パスポートを取り上げられて(不安…)雪景色の中をバスで空港近くのホテルに皆で移動です。適当に二人一組にさせられ決められた部屋に直行。
2月くらいだったと思うので卒業旅行らしき男子学生と一緒でした。持っていた(良かった!)ウィスキーの小瓶を一緒にチビリチビリ飲み、お互いの不遇を慰め合って眠りにつきました。おやすなさい!
翌朝モーニングコールならぬ、スタッフが直接鐘を鳴らしながらのドアノックでビックリして起床。空港に戻りパスポートも戻してくれて、やっとロンドンに向けてテイクオフです!
何時間かしてヒースロー空港に無事ランディング。やれやれです…。
ホテル(B&Bですが)に一日遅れたことを連絡しなきゃなあとか、これからも続くだろうトラブルの予感を抱え不安な気持ちで足取りも重く、トボトボと到着ロビーに出て行きました。
その時自分の名前を呼ぶ可愛い声が…!
誰も知り合いがいないロンドンなのに、エッと思って見ると何度か仕事で会ったことのある人がにこやかに立っているではありませんか!
ロンドンに住んでいて日本からの友達を迎えに来ていたようです。なんという偶然!
暗く重い旅の予感が一転、その後展開されるバラ色のロンドン滞在になった瞬間です♥
旅をしましょうね! たまには一人で!