浅草で出会ったアイスの話後編ーメリーパフェー【甲斐みのりの隙間の時間】

もはやアイスは夏だけのものではありません。

 

実際あるアイスメーカーは12月に売り上げがぐんとのびるそう。私も子どもの頃から、ぬくぬくと暖房のきいた冬のあたたかな部屋で味わうアイスクリームをこよなく愛してきました。と、そうは言いながらも、夏の熱気に急かされて瞬時に溶け出すアイスを、溶けるのが先か食べきるのが先か追いかけっこするように頬張るのも、夏だからこその特別な楽しみと感じています。

 

アイスを前にするとつい、夏には冬にしか味わえない趣を、冬には待ち遠しい夏への恋しさを、慕わしいアイスへの思いを同行者につらつらと語り出してしまいます。

 

仕事を終えたあとアシスタントのMさんと立ち寄った浅草の「レストラン東洋」でも、とんがり帽子のチャーミングなピエロがガラスの器からひょっこり顔をのぞかせる「メリーパフェ」を、持ち手の長いスプーンですくいながら、夏も冬も春も秋も一年を通して心惹かれるアイスへの思いを、つい熱く話してしまったのでした。

 

メリーパフェ
ショーウィンドウにもときめきます

 

ショーウィンドウに「パフェ祭り ぜ~んぶ500円」と貼り紙を見つけたこの日、初めての対面を果たしたメリーパフェ。顔をかたどったアイスとたっぷりのホイップクリームの下には、みかん、バナナ、2玉目のアイス。全てを食べ終えたところで器の底を控えめに彩るイチゴシロップの存在に気がつき、最後にちょっとしたおまけを与えられたような微笑ましさを感じました。

メリーパフェ

 

会計の際、スタッフに「どうして“メリーパフェ”という名前なのですか?」と尋ねるも、昔からそうだった、由来は分からないという回答。昔から浅草をよく知る人に聞いてみたら、おもしろい物語が潜んでいるかもしれないと想像。いつかメリーパフェのなりたちを、きっちり取材してみたい。

 

珈琲ハトヤ
この日は立ち寄らなかったけれど、大好きな浅草の老舗喫茶店。昭和2年創業の「珈琲ハトヤ」。「ゆであずき」なるメニューも

 

 

珈琲ハトヤ
2羽の鳩をデザインした「珈琲ハトヤ」のコーヒーカップ

 

甲斐みのりInstagram @minori_loule