モディリアーニのふるさと リヴォルノへ / ショートトリップ 2【フィレンツェねこ歩き vol.8】

フィレンツェから列車で 1時間ちょっとのところにある
ピサにほど近い街、リヴォルノ。

私の大好きな画家のひとり、
アメデオ モディリアーニの没後 100周年を記念した展覧会
[Modigliani e l’avventura di Montparnasse] を見に
真冬の港町にやってきました。

 

 

ヴェネツィアやリグーリアの海沿いの街とも違う、
ちょっと独特な雰囲気漂う港町。
ここリヴォルノは、モディリアーニの生まれた街です。

 

 

手短にシャッターを切りつつ、美術館へ。

 

 

会場にはモディリアーニの作品
油彩、デッサン、水彩画、計 26点が集められています。

 

[青い服の少女]
この展覧会のメインになっている絵画。
物憂げな表情がまさにモディリアーニ。色合いもとっても美しいです。

 

[黄色い服の少女]
作品によっては、厚めに重ねられた絵の具でごつごつした質感のものも。
こういった細部への気づきも、美術館に足を運ぶ醍醐味。
しかもガラスなし、触れられそうな距離で見られるなんて、
まさに感無量です。

 

手元も、モディリアーニらしいしなやかなライン。

 

 

[片肘をつくベアトリス ヘイスティングス]
モディリアーニの明確な意思でもって描かれた鉛筆の線には
ただただ見とれるばかり。
デッサンや水彩画からは、画家の瞬発力がより感じられる気がします。

 

[若い女性/シャイム スーティン]
こちらは、モディリアーニと同時期にパリで活動していた
エコール ド パリの画家のひとりシャイム スーティンの作品。
独特なタッチと迫力に圧倒されます。

 

手の表現もすごいです。

 

 

Modigliani e l’avventura di Montparnasse
2020年2月16日(日) まで

Museo della città
Piazza del Luogo Pio, 57123, Livorno, Italia
mon – thu 10:00 – 19:00
fri – sun 10:00 – 23:00

 

 

美術館のあとは遅めのランチということで、
遅い時間にも関わらず、とっても賑わっているオステリアへ。
(目当てのお店がないときは、地元のひとで賑わっているところに入るのが鉄則!)

 

 

ここは港町リヴォルノ、シーフードを食べずして帰れない
ということで、カチュッコ (シーフードのトマト煮) と
ロブスターのタリアテッレを。

 

 

新鮮なシーフードと出汁がぎゅっと詰まった濃厚なソース。
量も、伊友とふたりで 2皿でも食べきれないほど。
とっても大満足、美味しゅうございました。

 

帰りの列車でのこと。伊友が、実際にあった
[モディリアーニの失われた彫刻をめぐるとある騒動] について教えてくれました。

モディリアーニは、リヴォルノで制作活動をしていたものの
その作風が独特で斬新すぎるがゆえに理解されず、
パリに渡ってピカソ、藤田嗣治などと交友関係を持ちつつ
制作活動を行ったという経緯があります。

(私が以前、福岡のイタリア会館でイタリア語を学んでいた時、イタリア人の先生に
好きなイタリア人画家について聞かれ『モディリアーニ』と答えると、
『彼はほとんどフランス人だねー、てか渋いね!』と言われたことを思い出します)

 

この騒動は[リヴォルノで認められなかったモディリアーニが、
パリに渡る前にお堀に自身の彫刻を投げ捨てた] という伝説に起因します。

1984年7月、大勢の市民が見守るなか、その真意を問う捜索がはじまりました。
数日の捜索ののち、3つの頭部の彫刻が次々と発見されます。
瞬く間に世界的なニュースとなり、有名な芸術評論家も全て本物と認定しました。
早々に展覧会でお披露目され、多くの人が詰めかけました。

 

 

しかしこれら 3つの彫刻はモディリアーニの作風を真似て作られたもので、
本物ではありませんでした。
2つはリヴォルノの若手彫刻家アンジェロ フロリアによるもの、
1つは 3人の学生が共作したものでした。

彫刻家は 『芸術評論家の目を欺く』 ため、
また、学生たちは 『人々はワールドカップのトロフィーのように
それを掲げて喜ぶだろうが、芸術評論家はさすがに偽物と気付くだろう』
と思っていました。

学生たちは誰かが気付くのを期待して待っていましたが、
ついに真実を打ち明けることにしました。
雑誌のインタビューに応え、お堀に彫刻を投げ込んだ時の写真を公開し、
テレビに出演して第2の彫刻を彫り証明してみせました。

 

その後、彫刻家も 2つの彫刻が自作であることを明かし、
[Pesca Miracolosa 奇跡の釣り] といわれた騒動は収束しました。

それにしても、これらを本物と認定した芸術評論家は
さぞ面目が立たなかったことでしょう。

 

そして、もし伝説が本当なら
いまもこのお堀のどこかにモディリアーニの彫刻が、、
こういった裏話があったりするので、美術史はますます面白いですね ^ ^

 

 

ということで、旅の思い出に
この展覧会で一番好きだったモディリアーニ作品を、刺繍ピアスに仕立ててみました。

 

詳細は minne / Creema にて

 

 

foto, disegno / design il NODO

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