トラベルクッキング【てんてこ舞 in Brooklyn vol.1】

ちょうど四年前、私はマルタ島へとあるお方の専属シェフとして飛びました。

それはひょんな出逢いで

バカンスで行ったハワイの友人宅にていつもの様にお料理を大勢に振舞っていました。

キッチンにひょこり現れたお客様は白髪の小柄なムッシュ。ブルーグレーの目をキラキラさせて

「私はこんなお料理を食べたかったんだ!君、マルタに来ないか?船の上で作ってくれないか⁈」

彼は日本人ではありますが、20年も一度も帰国せず世界中を飛び回り80歳で今だにヨットで地中海を渡る。いわゆる普通の人ではありませんでした。

私は「行きます!」即答。その時はどうにかなるでしょ!と得意の行き当たりばったり。

 食材を抱えて日本から先ずフランスへ。そこでマダムも合流して素敵なレストランへ連れて行ってもらったり。ショッピングしたりとなんて楽しいお仕事!と。。。

それからマルタでの生活が始まりました。


最初の1カ月はホテルのスイートルームのキッチンでの料理から始まりました。

朝と昼と夜でナプキンのサイズを変えるテーブルセッティング。

お客様も多く、作るだけでなくホストとしてレストランの同じ席で食事をとることもありました。

正直、気を遣いすぎて味がしないくらい

メニューで選ぶ楽しみなんて忘れちゃいました。

こんなに食いしん坊の私がです!笑

第一服装、第二服装、第三服装、使い分け。

食事は基本一緒にとります。

もちろんエプロンのまま食卓に座ったら怒られちゃう。

チップの渡し方、ホストのあり方、相手との目線の合わせ方、交渉能力、日本人として恥ずかしくない振る舞い方。

それはそれはお料理だけでなく私にとって素晴らしく凄まじく貴重な経験となりました。

 

後半の海の上では船酔いを心配されましたが全く問題無いばかりか釣りをしようとして止められるほどで、、干物セットをスーツケースに入れていた私は残念でなりませんでした。

海の上で何より楽しかったのは途中の港で市場へ行きお料理をしてスキッパー達に食べさせる事!

たまには町のレストランへ行き地中海のお料理をスキッパー達と食べたりも。

 

イルカと一緒に進んだり、海しかない景色の中、目を閉じて想ったり

色々と大変な事もあったけれどなくてはならない時間になりました!

 任務を終え帰国、約半年ぶりに日本へ帰国しひと月程ゆっくり過ごしてハワイへ、そこからNYへ移動しました。

その頃の私はまさかこれからの私の人生を変える出逢いがあるとはまだ知らず


ハワイでもNYでも毎日エプロンをつけない日はありませんでした。行きのスーツケースはほぼ食材で、糠床抱えて飛びました。ハワイでもワシントンでのお料理教室をし糠を分け、お母さんの様な先輩方に可愛がられ今でも親しくして頂いています。

NYでも毎日の様に友人達にお料理を振舞い3カ月の滞在の帰国前、私はお料理イベントを開催し、日本から持ち込んだぬか床を広めるワークショップと大人の学食をテーマにおばんざいをたくさん作ってたくさんの方が参加して下さいました。



そんな中どう見てもちょっと変わったおっさんが甲斐甲斐しくお料理のヘルプや洗い物をしてくれて誰よりも真剣に糠を混ぜて嬉しそうに帰って行きました。

そう、その変なおっさんが私の人生のパートナーになるとは思いもしなかった。笑


そんなわけで私は4月に渡米します。

渡米まで1週間。あまり実感はありませんがこうして振り返る機会を与えて下さったのはこのブログのおかげで、ぬか漬けのおかげで幸せになれたんだなぁ。なんて感じた深夜のスタバ。

塩山 舞

http://maishioyama.com/