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今回のテーマは「真夏の東京蚤の市」【甲斐みのりの隙間の時間】

雑誌やwebメディア、書籍など、様々な場所で活躍する文筆家、甲斐みのりさんによる日々の気づきを記したエッセイです。

 

 古物商の資格を持っていることを、ときどきふと思い出す。

大阪の古本屋でアルバイトをしていた大学生の頃、いつかは古本屋を営みながら本を書いていけたらいいと理想があった。当時はインターネット普及前で、情報を得るのも本を買うのもアナログな方法。『古書マップ』なる本や、タウンページの古書店ページのコピーを持って、大阪・京都のあらゆる古書店を巡っていた。

 

 大学卒業後に、もの書きになるため上京してすぐ、友人と一緒に「古本生活」という古本を販売するイベントを始めた。古物商の資格をとったのも同じ時期。古本の値付けの勉強のため、毎日東京中の古本屋に立ち寄っていたけれど、だんだんもの書きの仕事が忙しくなり、古物商の資格を持っていることを忘れるまでになってしまった。

 

 普段は春と秋に、調布市にある競輪場「京王閣」で開催される「東京蚤の市」。

1回目から数回に渡り、トークショーや出店などで参加させてもらっているのだけれど、回を重ねるごと出店数も各店のディスプレイも進化している。いつも自分の準備は早々に終わらせ、開場前にひと巡りする時間を楽しみにしている。

 

 今年は初めての試みで、会場を大井競馬場に移動して、「真夏の東京蚤の市」が開催されることになった。賭け事はせずとも競馬場の雰囲気がとても好きで、日頃から古物のイベントに携わる友人と参加させてもらった。

 

 小間物や家具。以前は何に使われていたのだろうと想像力が働く古道具。本。洋服。大阪・京都で熱心に、古書市や骨董市に通っていた昔を思い出す。昔のものだけでなく、「陶器市」「焼き菓子市」「北欧市」「手ぬぐい市」、食べ物や飲み物の屋台、隅々まで見て回ると何時間もかかるほどの充実ぶり。ところどころでワークショップも開催され、ただ買い物するだけでなく、自ら手を動かして完成品を持ち帰ることもできる。ミュージシャンのライブがあったり、子どもたちに風船が配られたり、来た人みんながいくつもの思い出を持ち帰れるような仕掛けがあって、片付けが終わった最後には、主催者である「手紙社」に深々とお辞儀をして会場を後にした。

 

 次回の開催は秋で、会場はいつもの京王閣。私が学生時代に古物への愛が芽生えたこともあり、若い人たちにもぜひすすめたい。

 

大井競馬場の入口。「真夏の東京蚤の市」の幕の前で、みな記念撮影。


普段の競馬場の風景と「真夏の東京蚤の市」の、コントラストが面白い。


花屋さんも出店。古物と花は好相性。


 

板にリースがずらり。ディスプレイに注目。

 

「これは何に使われていたのかな」。想像しながら、新たな使い道を模索するのが楽しい。


 

ディスプレイは、部屋作りの参考にも。

 

夏休みの絵日記風に、自分で言葉を書き入れて、記念撮影できるパネル。

 

ほうき屋さん。専門店も多い。


 

大物家具も野外にずらり。もちろん配送可能。

 

競馬の観覧席前で思い思いに寛ぐ来場者。

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