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「旅するデザイナー」がおすすめする旅先でのお土産たち!【vol.02 西粟倉村】

デザイナーならではの視点から、旅先の情報とともにその土地ならではのお土産、雑貨、食べ物などをご紹介します。

 

今回の旅先は西粟倉村(にしあわくらそん)。西粟倉村は、岡山県の最北東端に位置し、兵庫県・鳥取県の県境にある村。面積の約95%が山林、約85%を杉や檜などの育成林が占めると言います。人口は現在1422人。主な産業は林業。

移住者や村民により木材など山の恵みを活用した約20社の企業が相次いで設立され、

「起業家の村」として広く知られて行きました。

森林再生支援などを手掛ける企業などの出資により2009年に完成した「西粟倉森の学校」が、間伐材の加工などを展開。

これをきっかけに、家具の製造、ゲストハウス運営、なんとこの山の中でウナギの養殖の事業までも立ち上がり、

起業家養成講座も開かれているという自然いっぱい元気いっぱいの今まさに注目すべき村なのです。

 

そこで今回おじゃましたのがここ「YOUBI(ようび)」。前の上司によくこちらのお話は伺っており、
西粟倉に行くのであればぜひ立ち寄ったほうがいいと言われていました。
社屋とモデルルームはなにやら大掛かりな組み木の集合体のよう。遠くから見ても存在感抜群です。

 

 

手作り感のある看板が可愛い!ここでは家具や暮らしの道具を作っています。

 

育成林は放っておくと成長しすぎて光が地面まで届かなくなります。

その結果下草が生えず、深刻な土砂災害を招く原因になります。

また、密集しすぎた森林は成長が遅れ細いままのため、

木材として1本あたりの材料が少なくなってしまい加工が難しくなってしまいます。

今ある木を間伐して使うことで森が綺麗になり、暮らしに循環していくのです。

 

「やがて風景になるものづくり」を理念に掲げて無垢の素材、

伝統的な木組みの技術を活かしたものづくりをしているようび。

椅子もテーブルも一つ一つ心を込めて丁寧に作られているそう。

 

 

ショールーム全体を囲むように組まれている組み木。木の香りが空間に広がっています。

ここではなんと5,500本の木を使用しているとのこと!

 

 

北欧のようでもあり、とても美しいです。木とテキスタイルの組み合わせ、なんて相性が良いのでしょう。

 

 

なんとこの組み木、65,000箇所の溝を刻んで組んだとのこと。そう、この組み木は全て従業員のDIY!

 

一体どういうことなのかと話を伺うと、2016年1月23日の午前4時、ようびの工房で火災が発生。

真冬の不運な条件で発生した種火はあっという間に工房中を巡り、ようびのすべてを焼き尽くし奪い去ったと言います。

『百年の森林構想』という50年かけて育てた森林を50年後の未来へ残すことを決めたこの村の理念に共感し、

ようびの代表の大島さんは100年の森林から生まれたひのきで家具をつくる挑戦をはじめたそう。

そんな熱い想いからか、全焼という現実を目の前にも大島さんはようびのスタッフに

「再起したい」と決意を伝えたと言います。

その後、メンバーひとりも欠けることなく全員で立ち上がり、この社屋ができたのです。

 

 

火災があっても諦めないというスタッフみんなの執念にも近い熱い想いが

今はとても穏やかな景色を切り取ってくれている空間からビリビリと伝わって来ました。

自分が今全てを失ったらようびの皆さんのように諦めずに強く前に進むことができるだろうか。

きっとこの村の人々、たくさんの豊かな木の存在、そして作りたいという想いが彼らをここまで強くさせたのでしょう。

 

 

と、いろいろとお話を伺っていると気になるバードのプロダクトを発見!かわいい!

このまま飾ることもできるし、羽から尾の部分に本を置くこともできるのだそう。

 

 

「これは東京などでも買えるんですか?」と尋ねると、

「木は呼吸する生き物と同じ。できればこの西粟倉に来ていただいて、

景色を見てここに訪れて購入してもらえると嬉しい。卸売はやっていないんです。」と

デザイナーでもあり広報担当でもある山口さんは言います。

確かにせっかく遠出して購入したのに帰ったら東京でも売っていた。なんてことよくありますよね。

私はお土産といわれるものはできるだけ現地だけで買えるものであってほしいと思っています。

東京でも買えてしまったらそれはお土産ではなく、ただの便利なのではないか。と思ってしまうのです。

買い手の便利さを追求することももちろん必要な時もありますが、作り手の背景や環境、想いは

現地でなければ目で見て感じ取ることはできません。こういった会話からも得るものは大きいです。

 

 

新しい工房の天井にも、迷いのない意志のようにも感じられる組み木が美しく並んでいます。

 

 

3面ガラス張りの多目的スペース。3面スクリーンの映画館のように美しい西粟倉村の景色が広がります。

 

 

ブックバードは税込15,660円で販売しています。

卸売はしていないそうですが、どうしても西粟倉村まで行けない!という方は

唯一ようびのwebサイトで購入することができますよ。

http://youbiloved.thebase.in

 

 

廃校となった旧影石小学校はベンチャー企業のオフィス、カフェ、ショップで賑わいます。

体育館では「森のうなぎ」の養殖が行われていたりと、ようびの他にも西粟倉村では様々なチャレンジが始まっています。

 

 

市町村合併せずに村として存続することを決め「百年の森林構想」を掲げ森林と共に循環を始めた西粟倉村。

温泉もあり、国民宿舎への宿泊もできます。

 

共感から人が集まり、好きなことを仕事にし、みんなで継続するから本物になる。

都会から離れていても、この考え方、生き方が地域全体、日本全体に広がり注目されつつあります。

小さな村の大きな挑戦はこれからも続いて行きます。

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