行き交う人の少ない裏道の店頭に行列ができるほどの人気

同店は札幌で2003年にスタート。ナチュラルなオリジナルウェアに支持が寄せられ、2012年、2号店として浅草店がオープンした「cheer」。ウェアに加え、アクセサリー、雑貨なども充実。クリエイターの作品もセレクトされ、常設のほかにもイベントも数多く開催されました。

イースト東京・蔵前周辺エリアの恒例イベント「月イチ蔵前」にも参画し、行き交う人も少ない裏道に早朝から長い行列ができることもしばしば。近隣の住民のかたがたもビックリしていたそうですよ。
着こなしの提案とフレンドリーなコミュニケーションが魅力

リネンを中心に天然素材を用いて作られたウェアは着心地がよく、大人女子にぴったり。ちょうどいいゆるみ感と重ね着したときのバランスが絶妙です。シンプルかつ難易度が高いお洒落上級者のための服。試着を繰り返すなかで、自分らしい一着を選び、自分らしいコーディネートを見つけるプロセスが楽しい。

「この服、どこの?」と友だちに聞かれるのってうれしいですよね。そんな体験を重ね、ファンになるかたがいっぱい。キーパーソンとなったのが、元店長の加藤みちるさん。ナチュラル系ファッション誌では、たびたび着こなしを披露していたので、「ペルル」ユーザーさんのなかにもご存じのかたもいらっしゃると思います。センスのよさはもちろん、フレンドリーな対応と誠実なお人柄も素敵。営業休止が発表されてからは、すべての営業日に通うかた、岐阜や京都をはじめ、遠方から駆けつけるかたも続々。最後の日もたくさんのかたが詰めかけました。
いつもの場所がなくなっても、あたたかな絆は消えない


この日は、guchiさんの期間限定カフェのラスト。満席でしたので、物販コーナーをご紹介。かわいくておいしい焼き菓子がちょこんと並んでいました。


「オープン当初は2階におばあちゃまがお住まいだったので、取材でショップの外観を撮影していただいていたとき、その洗濯ものを動かすことはできませんか? とフォトグラファーさんに言われたこともあったんですよ。のんびりした雰囲気も下町らしいですよね。ここで過ごした6年間、人生の中で貴重で大切な時間になりました。心からの感謝を込めて、今日はずっと口角を上げていようと」。凛とした眼差しは、ほんの少しだけ潤んでいるようですが、いつものように、いつもと変わらずに。

インスタグラムで共有し、つながっていられる時代、また明日にでも会える気がするから不思議。

名残り惜しさを胸に家路につく皆さん。後ろ姿が見えなくなるまで手を振って(お客さまのお子さんもいっしょに)。最後の瞬間まで、微笑みを絶やさないまま、そっと扉が閉じられました。

自分がほしい、使いたいと思う、ものづくりを本格始動
この卒業前から、加藤さんは自身のブランド「quatre」を立ち上げ活動しています。小物、バッグなど自分がほしい、使いたいと思ったものを丁寧にハンドメード。ショップ勤務の間も通勤用として実際に使い、試行錯誤して仕上げたバッグに磨きをかけて。フランスの古いリネンをはじめ、ストーリーのあるアンティーク・ファブリックを使用。深い味わいがあり、洗いざらしの素材感や経年変化も楽しめます。

今後はイベントなどにも出展する予定だそう。直近では、千葉・印西で行われる「モリノヨウヒンテン」(5月21日~26日)に参加。雑貨、アクセサリー、キャンドル、ジェルネイルと幅広いジャンルのクリエイター15組がさまざまなアイテムを出品します。会期中、ブローチをDIYできるワークショップやバーも。ほのかなキャンドルの灯りでゆっくりと流れる時間を満喫できそうですね。
会場となっているギャラリーカフェ風草は、森の中にひっそりと佇む古民家カフェ。「自然に囲まれた最高のロケーションです。ドライブを兼ねてお出かけください。電車をご利用のかたは最寄り駅からバスなどの公共交通機関がないので、タクシーがおすすめです」(加藤さん)。
店長としての勤務は終了してしまいましたが、個人の活動は活発化するよう。ご自宅の一角をショップにすべく、ご主人のサポートでリノベーション準備が進んでいます。近日中のオープンを目指しているそうですよ。うれしいですね。これからのスケジュール、最新のトピックについてはインスタグラムアカウント(__michirukato)で発信されています。店内イベントで紹介されたクリエイターたちの情報も必見。ぜひ、チェックしてみてください。
★「モリノヨウヒンテン」★
千葉県印西市山田1815-1
2018年5月21日(月)~26日(土)
OPEN 11:00-17:00
TEL 0476-98-0695
http://morinoyouhinten-2018.jimbo.om
http://www.facebook.com/morinoyouhinten2018/