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【開催中】「ターナー 風景の詩(うた)」展 ー風景画の裏側を識れば、鮮やかになっていくー【MiLuLu】

【MiLuLu】では巷で話題の映画作品や美術展をご紹介!東京・新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の『ターナー 風景の詩(うた)』。イギリスを代表する風景画家のジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーによる、美しい自然の様々な表情を優れた技法で表現した絵画から、ターナー作品の核心とその魅力に迫る本展覧会をご紹介します。

“光の画家”と称されるターナー

(美術館にて写真撮影の許可をいただきました)

 

イギリスを代表する風景画の巨匠、ジョゼフ・ウィリアム・ターナー(1775~1851年)。

ロンドンの下町であるコヴェント・ガーデンの理髪店に生まれた彼は幼い頃から絵を愛し、14歳でロイヤルアカデミー付属学校に入学。20代で画家としての地位を確立しました。穏やかな田園風景、荒れる海や険しい山岳など、そこで描く自然の様々な表情を優れた技法で表現した風景画は、今尚人々の心を捉えて離しません。独特の光や空気に包まれたターナーの画風は、フランスの印象派をはじめ、後世の芸術家に影響を与えました。本展覧会では、ターナーによる、油彩、水彩、版画約120点を英国各地と日本国内の美術館から集め、出展作品の多くが日本初公開となる大変貴重な機会です。

 

 

風景画から旅行を追体験

 

 

左)東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館内展示室作品(美術館にて写真撮影の許可をいただきました)

右)筆者がオルセー美術館で撮影したセザンヌによるサント・ヴィクトワール山を描いた作品

 

本展覧会では、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」のターナーの風景画に見いだすことのできる主要テーマに分けて紹介されています。当時、貴族の修学旅行ともいえるグランド・ツアーが流行り、国外への旅行者が増えたことが大きく関係しているといわれています。毎年、ターナーはイギリス国内はもとより、フランス、イタリア、スイス、ドイツなど、ヨーロッパ各地にも足を運び、膨大な風景をスケッチしました。

ターナーが手掛ける絵画作品は、その土地の様子を精巧に描くことで、現代でいうところの『地球の歩き方』のような、旅行のガイドブック的役割を担っていました。是非、会場内を歩みながらヨーロッパ各国を旅する気分を味わってみてください。
写真(右)は近代絵画の父と称されるセザンヌが、モチーフとしてよく描いてたサント・ヴィクトワール山。
ターナーとの山の表現を見比べてみると表現の違いが明確で面白いですね!


ビジネスマンの視点

《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》  1802年展示 油彩・カンヴァス 91.5×122cm            
サウサンプトン・シティ・アート・ギャラリーOn loan from Southampton City Art Gallery  
©Bridgeman Images / DNPartcom

 

海が持つパワーを表現しようと果敢に挑戦した《風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様》は、ターナーが晩年に買い戻そうとして叶わなかったというエピソードもある名作。荒れ狂う波に流されまいと帆を高く掲げる船や抗おうとする漁師たちの姿だけでなく、優れた技量によって自然の多様性さ、美しさ、ドラマを伝えています。

日本と同じ島国であるイギリスでは、海景画は主要な芸術のジャンルだったそう。ターナーが生きた時代は、ナポレオンが率いるフランス軍の脅威にさらされていたため、イギリス国民全体が海に対する関心を共有していました。自然に対する理解と趣味が変化するなかで、より広範囲にわたる流行を認識して、ターナーは作品制作していたのだそう。そういった背景を読み取っていくと彼はビジネスマンの視点を持ち合わせていたことが分かります。

作品の美しさだけに触れるのもアートの楽しみ方の一つですが、そういった発見から歴史や着眼点も学べると、もっとアートの楽しみ方が広がっていきますね! 是非、会場に足を運んでみてください。

 

 

【情報】

 

「ターナー 風景の詩(うた)」展

 

会期:2018年4月24日(火)〜7月1日(日)
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
住所:東京都新宿区西新宿1-26-1損保ジャパン日本興亜本社ビル42階

休館:月曜日(ただし4月30日は開館、翌5月1日も開館)

時間:午前10:00〜18:00

※5月9日(水)、16日(水)、6月26日(火)〜30日(土)は19:00まで

※入館は閉館の30分前まで

観覧料:一 般 1,300円 大・高校生:900円 65歳以上:1,100円 中学生以下:無料

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