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『乙女な大人のための岡上淑子さんのコラージュ作品。』【多屋澄礼のカルチュアルな生活】

音楽、映画、本、アートに囲まれた上質な生活をスタンダードに。多屋澄礼によるお勧めの展覧会やイベント、作品をご紹介。

 

仕事柄、日常的に触れるアートの多くはコンテンポラリーなものが多いのですが、個人的にはルノアールの様な印象派の作品や、マリー・ローランサンのようなロマンチックな絵画が好き。

 音楽や食べ物の趣味が年齢と共に変化するように、アートに対する趣味趣向も少しずつ変わってきました。それでも根っこにあるものはあまり変わらず、それがきっと自分にとってのスタンダードなのだと思います。

 先日、コラージュ作家の岡上淑子さんのコラージュ展が1月より高知県立美術館で開催されると知り、胸が激しく高鳴りました。

学生時代に見た個展の記憶がフラッシュバックし、ファッションブランド、PAMやSILASのアートワーク、リンダー・スターリングによるBUZZCOKSのジャケットなど、その時に私が夢中になった物たちの記憶も一緒に蘇ってきました。それらは時代や国、バックグラウンドにあるものなど、それぞれに違いますが、共通しているのはシュルレアリスムを感じさせるコラージュだということ。改めて自分の好きなもの、スタンダードなものに気付かされた瞬間でした。

 写真やタイポグラフィをハサミやカッターでカットし、ペーストして作られるコラージュ作品たち。今ではフォトショップやアプリで手軽にコラージュが作れる時代になりましたが、やはりアナログなプロセスを経て生み出されたコラージュには独特の味があります。そんな私もコラージュを作るときは断然アナログ派。ぜひ皆さんにもコラージュを鑑賞する楽しさを知ってもらえたら嬉しいです。

 


 

クレジット:《陽気なリズム》1952年 紙、コラージュ © Okanoue Toshiko, The Dance of the Table

 

・岡本淑子

1950年から56年の7年間という短い期間に140点あまりもの作品を残し、美術評論家・瀧口修造によって見出されながらも、結婚を機に美術界から姿を消した幻のコラージュ作家。

その時代貴重だった洋雑誌を切り抜き、貼りあわせることによって生み出されるシュールな世界。ロマンチック、エレガントでありながら、どこか不穏なムードを漂わせ、観る者の心を翻弄します。

 

 


 

・リンダー・スターリング

イギリス、70年代のパンク、ポストパンク・カルチャーの中で生まれたBUZZCOCKS。『Orgasm Addict』のジャケットに使用された女性の裸体とアイロンをコラージュしたイメージを制作したのがリンダー・スターリングです。雑誌『プレイボーイ』から女性の裸体写真を切り取り、カメラやアイロン、カセットテ ープといった無機質なモノや花々と組み合わせることでポップでシュールな作品を生み出しました。正確に、綺麗に切るためにスワン・モートン社の外科用のメスを使用しているとのこと。LUDUSという名義で80年代初めにバンド活動をしていたスターリングはパフォーマンス時に生肉を使ったドレスを身に纏っていました。レディ・ガガの生肉ドレスの元ネタになったことでも有名。63才になった今でもパフォーマンスアーティストとして活動中です。

 

 

 



 

・M!DOR!

現在では様々なアーティストにフューチャーされている話題の作家であるM!DOR!さん。私と年齢がひとつしか変わらないのですが、アイデアの引き出しの多さに大変驚かされます。岡本淑子やジョン・ハート・フィールドに通ずる世界観、そしてロシアンアヴァンギャルドを彷彿させる色彩やデザインにに心奪われました。彼女のコラージュ作品の素晴らしいところは平面にとどまらず、立体作品にも挑戦しているところ。モンティ・パイソンのメンバーであるテリー・ギリアムの辛辣さほどではないけれど、ピリッとした作品に好奇心が刺激されます。

www.dorimiii.com

 

 


 

・TOILETPAPER

アーティストのマウリツィオ・カテラン、そして写真家のピエールバオロ・フェラーリが2010年から共同で発行しているアートマガジン。MAISON KITSUNEとのコラボレーションで

彼らのことを知りました。ページをめくる度に強烈なカラーリングが目に飛び込んできて、衝撃を受けます。時折グロテスクなイメージが盛り込まれていて、心臓には悪いのですが、私はそのドキドキが癖になっています!ギャラリー「ペロタン」で開催された個展では鏡にフォトモンタージュが施されていて、鑑賞している人たちが映り込みます。インスタ映えも意識(!?)したアイデアが面白かったです。OPENING CEREMONYではアパレルアイテムも展開していて、彼らの作品を着て楽しむことも。まずはスクロールするたびに強烈なイメージが飛び込んでくるウェブサイトをお楽しみください。

www.toiletpapermagazine.org

 

 


 

・DAYDREAM

2018年にスタートしたばかりのコラージュアーティスト。シュールさの中に女性ならではの繊細さ、DAYDREAM=白昼夢を見ているかのような幻想的なコラージュ作品はneneちゃんという、ハイセンスな女子の手によって作られています。可憐な一輪のバラに飛び込んでいく女の子だったり、氷河から足がすらりと伸びていたり…。このコラージュプロジェクトはまだ始動したばかりで、作品はinstagramのみで発表されていますが、国内だけでなく海外のフォロワーが多く、今私の中で熱いアーティストです。フレームに入れて壁に飾りたくなるファンタジックな作品たち。

INSTAGRAM:@daydream_collage

 

 


 

こちらは少し男性的ですが、私が個人的に大ファンであるL.A.のPart Time Punksというイベントのフライヤー、

イベントを主催する、DJのMichael Stockが昔の広告などをカット&ペーストし、自らゼロックスのコピー機で印刷。真似できそうで、できない絶妙なバランスで成立しているデザインのセンスに脱帽!

 

 

Processed with VSCO with m3 preset


 

私も作ってもらったコラージュに文字を入れて、DJイベントのフライヤーに。

お気に入りの写真やイラストがあれば、コラージュを自作してみるのも楽しいと思います。だって道具はハサミとノリがあれば大丈夫だから!シンプルな手法ながら、可能性は無限大。ぜひ自由な発想で楽しんでくださいね。

 

 

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