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1/5公開!ジャコメッティの伝記映画『ジャコメッティ 最後の肖像】【新麻記子のMiLuLu -vol.8-】

【新麻記子のMiLuLu】では巷で話題の映画作品や美術展をご紹介! 国立新美術館で開催された大回顧展『ジャコメッティ展』でも記憶に新しい、長く縦に引き伸ばされたようなブロンズ像が印象的なスイス出身の芸術家アルベルト・ジャコメッティ。この冬、彼が手がけた最後の肖像画に纏わるアトリエでの心理バトル戦を描いた『ジャコメッティ 最後の肖像』をご紹介します。

完成しないポートレイト

 

1964年、フランス・パリ。個展が始まったばかりのジャコメッティはアメリカ人の青年ロードに、「肖像画のモデルになってほしい」と声を掛けました。憧れの作家直々の指名に名誉と好奇心を感じたロードは、2日あれば終わるとの言葉を信じ、イポリット=マンドロン通り46番地にある巨匠のアトリエへ向かったのです。ところが、愛人カロリーヌの突撃訪問にジャコメッティのスランプもあり、セッションを重ねても肖像画は一向に進みません。作家で美術評論家でもあるロードは、本能と信念のままに生きるジャコメッティのすべてを記しながら、不安に駆られていきます。18日にも及ぶ地獄のセッション。肖像画は無事に完成するのでしょうか―。

 

©Final Portrait Commissioning Limited 2016


“生”を生きた一人の人間

 

本作品の題材は“20世紀で最も重要な芸術家”の一人と称されるアルベルト・ジャコメッティです。細く長いモチーフが特徴の彫刻以外にも、油彩・素描・版画など様々な作品を残しています。この夏には東京・国立新美術館では大回顧展『ジャコメッティ展』が開催され、約2カ月半で約14万人の観客を動員したことでも記憶に新しいですね。

ジャコメッティは、古今東西のあらゆる芸術を研究し、そこから学んだものを制作に活かしました。その作風は、装飾などの余計なものをすべて剥ぎ取り、見えるものを見える通りに表現するというもの。“人間の生、そして表裏一体である死”という普遍的なテーマを掲げ、時代や文化を超えて受け入れられています。


映画でジャコメッティに扮するのは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのバルボッサ役でお馴染みのジェフリー・ラッシュ。『シャイン』の怪演で第69回米アカデミー賞の主演男優賞にも輝いています。特殊メイクとダボダボの衣装でジャコメッティそのものに変身し、鬼気迫る表情で天才作家を熱演します。

 

©Final Portrait Commissioning Limited 2016


普遍的なテーマの裏側に潜む人格

 

本作品は、18日間モデルを務めたロードが書き記した体験記がもとになっています。彼の視点を通してジャコメッティの複雑な人格に触れることができるでしょう。ストイックであるのと同時に気まぐれで、ユーモアがあるのと同時に癇癪持ちで、自分の作り出すものに常に懐疑的。天才でも孤高の芸術家でもなく、パリの片隅で絵筆や土塊を手に、愚直なまでに激しい“生”を生きている一人の人間が描かれています。

描くほどに苦悩し、暴走する複雑なジャコメッティ。そして、そんな彼に翻弄されつつも、創作過程と日々の出来事を尊敬の眼差しで観察するロードの奇妙な関係を再現した心理バトルを、是非スクリーンで楽しんでみてください。

 

©Final Portrait Commissioning Limited 2016


 

【情報】

ジャコメッティ 最後の肖像

2018年1月5日(金)TOHO シネマズ シャンテ ほか 全国順次ロードショー
監督:スタンリー・トゥッチ
出演:ジェフリー・ラッシュ、アーミー・ハマー
配給:キノフィルムズ

HP:http://finalportrait.jp/

 

 

 

 
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