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今回のテーマは「お風呂に、花粉症に、虫除けに、万能ハッカオイル」【甲斐みのりの隙間の時間】

雑誌やwebメディア、書籍など、様々な場所で活躍する文筆家、甲斐みのりさんによる日々の気づきを記したエッセイです。

 秋の生まれで、一年のうちでもっとも好きな季節ながら、この時期に少なからずの憂鬱を伴うのは、私が秋の花粉症持ちだから。鼻の通りが悪くなったり、喉の痛みを感じたり、ときには微熱も。毎年夏が終わりを迎える頃から、風邪に似た症状に悩まされる。

 

 それでも今年、随分と楽に過ごせたのは、ハッカの油のおかげ。初夏に神戸のおみやげとしていただいた、ハッカの油と結晶の小瓶が大活躍。洗面器にお湯をはり、ハッカ油を数滴。深く蒸気を吸い込むと、鼻の詰まりが緩和される。

 

 夏の暑さのさなかならば、お風呂に1滴入れるだけで体感温度が3~5度下がる。体の芯はぽかぽかと温まりながら、肌はさらっと冷んやりと。普段は汗がひくまでのぼせ顔の、お風呂上がりも清々しい。

 

 他にも、水と混ぜて肌にスプレーすれば野外での虫除けに。紙パック式掃除機に軽くすり潰して入れると排気臭が和らぐ。さらに、楊枝の先にハッカ油をちょこんとつけて、カップに注いだ紅茶の表面をなでると、疲れた頭の中がふわっと切り替わるミントティーにも。なんとも万能な、ハッカ油と結晶だ。

 

 ハッカ油と結晶の小瓶セットを作っているのは、昭和2年創業の「鈴木薄荷」。開港後に神戸で創業し、大正時代には日本一の総合商社だった鈴木商店が倒産する際、ハッカ事業を引き継いだ。ラベルのデザインに味があるのも、前会社時代から合わせると100年を数える歴史を物語る。

 

 ハッカ油とお風呂の組み合わせは、また来年、夏がやってくるまでしばしお預け。これから始まる冬に備えて、お風呂の時間を楽しめるよう、旅先で少しずつ入浴剤を集めるのが楽しみだ。

 


神戸「鈴木薄荷」の、ハッカ油と結晶。

 


ハッカ油と結晶に付いた、小さなパンフレットのデザインも昔風。

 


一大温泉地・別府で求めた湯の花。

 


旅先から持ち帰った入浴剤。

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